早いもので2013年も残り2週間程。
皆様師走を忙しくお過ごしでしょうか。
日比谷です。
僕たちの学年は今年新社会人として新たな一歩を踏み出した人が多いのですが、
鉄塔メンバーも日に日にやつれていく様がツイッター等の文章からにじみ出ており、
おいたわしや…と涙を滲ませております。
嘘です。
僕はどちらかというと涙も血も鼻水も涎も、出せる物は全部出してヒーヒー言っているタイプです。
そんなこんなで昨夜は鉄塔の編集長・山田を夕食に誘い、表参道の街を練り歩いてきました。
この時期の表参道はきらびやかです。
道ゆく人が皆幸せそうな顔をしていて、不景気な顔をしているのは我々だけのようでした。
肉が食べたいという山田のリクエストを聞き、お店を探したのですが土曜の夜はどこも満員。
歩いているうちに要望を忘れて「甘いものが食べたいな」と思い、
いつだったか国語の教科書に出てきた「バナナスプリット」を食べさせてくれるFRIDAYSに行くことに。
(話が脇道に逸れますが、ご存知の方いらっしゃるでしょうか。作文に青春のすべてをかけて競う少年の話です。勝った方がカフェテリアでシェイクを奢ってもらえる。作文の出来によってランク分けされるらしく、最高峰がバナナスプリット)
バナナスプリットに関してはこちらをどうぞ
http://image.search.yahoo.co.jp/search?rkf=2&ei=UTF-8&p=バナナスプリット
FRIDAYSはアメリカンなステーキやバーガーを出す、どこかケミカルな味わいのレストラン。
貧乏社会人にとっては、ちょっといいお値段の料理が並びます。
そんなこともあって、本来の肉要素そっちのけで「フライドマック&チーズ」、「フライデーズ ヤキトリ」を注文。
「フライドマック&チーズ」はマカロニをチーズと絡めてサクッと揚げ、トマトソースで頂くというもの。
一口サイズのものが6つ、コロコロと皿に乗せられていました。
アツアツをソースで冷まして食べると、クリーミーなマカロニとさっぱりしたトマトが何ともたまらぬ。
「フライデーズ ヤキトリ」はバターライスの上に温野菜と鶏肉が串刺し(しかし竹串ではなくBBQ用の鉄串。食いしん坊万歳を彷彿させる)を乗せ、照り焼きソースをかけた料理です。
野菜はパプリカやにんじん、ブロッコリーにカリフラワーなど、マヨネーズベースのソースに絡めて頂くと大変美味。
ただこれ照り焼きじゃないね。バーベキューソースだね。
こちらも意外とライトなボリューム。
積もる話に花を咲かせながらもどこか物足りなさを感じ、
オニオンリングとデザートを追加注文をすることに。
もし過去に戻れるなら、懸命にこのときの自分を説得します。
オニオンリングはやめておけ、せめてハーフにしなさい、と。
いえ、味は最高だったんです。
元々モスのオニオンリングをたらふく食らいたいと思うほどのタマネギ好きですし。
前二つの料理のせいで、ここがアメリカンレストランだってことを忘れていたんです。
笑顔が可愛い店員さんが運んできたのは、皿に盛られた黄金のタマネギ。
今までの上品な盛りつけはなんだったのか、やたら気合いの入った山盛り具合。
おいしい!けど完食したら胃もたれ間違い無し!
そんなことを思いながらつまんでいると、「お待たせしました♡」とまた笑顔の店員さん。
テーブルに置かれる2つのデザート。
「ブラウニー オブセッション」と「フライデーズサンデー」。
(ちなみにバナナスプリットは現在取り扱いなしでした。)
ブラウニーは結構量が多く、アイスの上にはキャラメルソースがかかっていて、
食後に頂くには少々重そうな印象。
そして僕が頼んだフライデーズサンデーですが、何と言うか重いとかいうことではなく、
もう罰ゲームでしかない。
「え?何この量。あんなに油断させておいて」
「メニューこれさ、ちょっと不親切だよね。全体像載せておいて欲しいよね、せめて隣にマルボロ置くべきじゃないかな」
「っていうか店員さんも量多いですよとか一言忠告してくれても…あ、だからさっき笑ってんたんじゃ」
疑心暗鬼になって誰も信じられなくなった日比谷の隣で、山田は爆笑していました。
「サンデー」という可愛い言葉で油断させ、弱りかけた相手を全力で倒しに掛かる。
まさにスイーツ系女子のようなその威力。
僕なら「フライデーズサンデー」なんて名前より『地獄からの使者』とかに命名します。
「お待たせしました、『地獄からの使者』です」といいながらこれがテーブルに置かれるなら納得です。
凶悪極まりない。
半泣きで生クリームをすくっては口に運び、すくっては口に運び…
ようやくアイスが見えてきた頃、山田が自分のブラウニーを投入してきました。
いえ、きっと親切心からだと思います。きっとそうです。食べさせたかっただけです。
ちなみにサンデーは主に生クリームとアイスクリームとチョコレートソース、
そして謎のドロドロで出来ていました。
千と千尋の神隠しに出てきそうなドロドロ。
ラスボスの様なくどさ。キャラメルソース?ソースって感じの濃度じゃないんです。もうドロドロなんです。
YKKの広告で窓は様々なドラマを映し出す、なんて感じのことを言ってますが、我々の目の前ではありとあらゆる人達の楽しげな表情をみることができました。
店の前に、サンタとトナカイのバルーンライトがあったのです。
大学生らしい男女たち、腕を組んで歩くカップル、飲み会帰りのサラリーマン集団、暖かそうなダウンコートに包まれた奥方、小さなお子さんをつれた家族等々。
皆はしゃいでバルーンに抱きつく。写メをとる。
こちらに笑顔が投げかけられるたびに
「あいつ腹一杯なのにオニオンリングとサンデー頼んでやがる、馬鹿かよ」
「あれどうやって完食する気なのーウケるー」とか言われているのではないかと
震えていたのですが、自意識過剰でした、反省します。
僕たちもその存在には気付いていたのですが、特に惹かれることもなくそのまま店に入ったのです。
感受性の欠如…そんな言葉が脳裏に浮かびました。
仮にも文学を志す人間が、こんなことでいいのでしょうか……?
店を出て撮影会をはじめた女子高生の群れを眺めながら、山田と顔を見合わせます。
彼女は、構図やメンバーを変えて撮りまくり、しまいには店員を連れてきて集合写真を撮り出した少女たちを、「理解できない」という顔で見つめています。
超楽しそう。
もしかしたら、あそこで写真を撮るというのは、凄く素敵なことなのではないか。
次第にそんなことを思い始めました。
ひとまず僕らも撮影に参加してみようと、店員さんがカメラを構える方に向かって精一杯のポーズをとります。
少女たちは僕らを背にしているので気付きません。
オニオンリングと空になったサンデーを掲げて写ろうかと相談したのですが、
最後の良心から普通にピースサインで収まりました。
「店出たらさぁ、写真撮ろう。トナカイの前で」
「そうだね、スマホ買ったしね」
そしてオニオンリングのお持ち帰りを頼み、オニオンリングを持ち帰るにしては
少々デカイ入れ物をもって店を出ました。
はしゃぎ気味に自撮りをし、少女達を見習って口を大きく開けたり、掌を大きく広げて小顔をアピールして撮影。
撮っている間はそれなりに楽しかったのですが、
ふと先ほどまで隣に座っていたお客さんの冷ややかな視線に気付き、
心は物悲しい気持ちで溢れていきました。
彼女達と僕らでは徹底的に違う部分があったのです。
そうだ、私達は女子高生じゃなかった。
女子高生って最強ですね。
きっとあのサンデーを前にしても「何これ超ウケるー」とか良いながらツイッターやラインに投稿するんでしょうね。
勝てません。
オニオンリングは翌朝オーブンでチンして食べました。
店員さん、タマネギだけ食べてのこした衣も残さず詰めてくださいました。お茶目な方です。
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